相続不動産の共有持分は?生じる問題点についても解説

相続不動産の共有持分は?生じる問題点についても解説

親などの大切な不動産をきょうだい等と複数人で相続することになり、複雑な権利関係や今後の管理方法について不安に感じていませんか。
不動産の所有権を分け合う「共有持分」という状態は、誰にどのような決定権があるのかわかりにくく、そのまま放置しておくと親族間で深刻なトラブルに発展してしまうリスクを孕んでいます。
本記事では、共有持分の基本的な仕組みや単独でできることの範囲、そして共有状態だからこそ起こりうる代表的な問題とその対処法について解説します。
将来不動産を相続する予定があり、正しい知識を身につけて将来のトラブルを未然に防ぎたい方は、ぜひご参考になさってくださいね。

不動産の共有持分とは?

不動産の共有持分とは?

不動産を相続するにあたり、まずは仕組みをおさえる必要があり、これには主に共有持分の定義や取得の方法などがあります。
まずは、共有持分の基本的な仕組みや、所有権の決まり方について解説します。

共有持分の定義と民法

共有持分とは、1つの不動産を複数人で所有するときに、それぞれが持つ権利の割合を示すものです。
たとえば、親の家を兄弟で相続しても、建物を物理的に半分へ分けるのではなく、権利を割合で持ち合います。
民法では、各共有者が持分に応じて共有物全体を利用できるとされています。
そのため、持分が少ないから特定の部屋しか使えない、という考え方にはなりません。
ただし、1人だけが住み続ける場合は、他の共有者との公平性を保つため、使用料や管理負担を話し合っておくと安心です。
内容を共有すれば、後の行き違いも防ぎやすくなります。

持分割合の決定と登記

持分割合は、不動産を取得した理由によって決まり方が変わります。
相続では法定相続分を目安にし、贈与や共同購入では契約内容や出資額に沿って割合を定めるのが一般的です。
そして、決まった内容は法務局の登記簿に、共有者の氏名や住所とともに記録されます。
登記簿謄本は、誰がどの割合で所有しているかを確認する大切な資料です。
なお、令和6年4月1日から相続登記が義務化され、取得を知った日から3年以内の申請が求められるため、早めの手続きが大切です。
登記を整えると、将来の売却や賃貸でも確認がしやすくなります。

相続など代表的な取得例

共有持分が生じやすい場面には、相続や贈与、共同購入があります。
相続では、親名義の実家を兄弟で引き継ぎ、ひとまず同じ割合で登記するケースがよく見られます。
また、贈与では将来の財産承継を考え、夫婦間で自宅の一部を移す場合もあるでしょう。
共同購入では、出資額や住宅ローンの負担に合わせて持分を決めることが大切です。
そのため、実際の負担と登記上の割合をそろえ、合意内容を文書に残しておくと、後の確認もスムーズに進みます。
最初に整理しておくことが、将来の管理や売却方針を話し合う土台になります。

▼この記事も読まれています
相続した不動産の売却方法は?手続きの進め方についても解説

共有持分でできることと各行為のルール

共有持分でできることと各行為のルール

前章では、共有持分の基本的な仕組みについて述べましたが、実際の不動産管理において、どこまで単独で進められるのか気になりますよね。
ここでは、共有持分でできることを、保存や管理、処分の3つに分けて解説します。

単独でおこなえる保存行為

保存行為とは、不動産の状態を保ち、傷みや不具合が広がるのを防ぐための手入れを指します。
民法では、各共有者が単独でおこなえるとされているため、雨漏りや破損など急ぎの対応もしやすい仕組みです。
たとえば、屋根の補修や窓ガラスの交換、不法に使っている相手への明渡し請求などが該当します。
ただし、工事や対応にかかった費用は、持分割合に応じて共有者で負担するのが基本です。
一時的に立て替えた場合は、領収書などを残し、後から精算できるようにしておきましょう。
また、固定資産税なども共有者全体の負担となるため、代表者を決めておくと管理しやすくなります。

合意が必要な管理行為

管理行為とは、不動産の性質を大きく変えずに、利用価値や収益性を保つための運用を指します。
具体的には、第三者への賃貸や賃料の見直し、設備の軽い更新などが挙げられます。
これらは共有者の人数ではなく、持分の過半数による合意で決める点が重要です。
たとえば、3人で共有していても、1人が60%の持分を持つ場合、その方の賛成で進められる場面があります。
また、共有者の中から管理者を選んでおけば、連絡や支払いの窓口がまとまり、日常の管理も進めやすくなるでしょう。
小さな判断も記録を残すと、後から確認しやすくなります。

全員同意必須の処分行為

処分行為とは、不動産全体の権利や状態を大きく変える重要な手続きを指します。
不動産全体の売却や建物の解体、抵当権の設定などは、共有者全員の同意が必要です。
そのため、売買契約書への署名押印や印鑑証明書の準備なども、全員で足並みをそろえる必要があります。
なお、自分の持分だけであれば、原則として単独で売却や贈与を進めることは可能です。
しかし、不動産全体を動かす手続きとは異なるため、あらかじめ各行為に必要な同意条件を整理しておきましょう。
普段から希望を共有しておくと、重要な場面でも相談を進めやすくなります。

▼この記事も読まれています
相続予定の家が負動産?処分の方法や注意点も解説

不動産共有で起こりやすいトラブルと対策

不動産共有で起こりやすいトラブルと対策

ここまで、共有持分に関する各行為のルールを解説しましたが、複数人で所有するからこそ起こる問題も、おさえておきましょう。
最後に、不動産の共有によって発生する問題と、その対処法について解説します。

メガ共有の発生と防止策

メガ共有とは、相続登記をしないまま世代交代が重なり、共有者が数十人規模まで増えてしまう状態です。
共有者が増えると、面識のない親族も含まれ、連絡先の確認や意見調整に時間がかかります。
その結果、修繕や売却に必要な合意がまとまりにくくなり、不動産を活用しにくくなる恐れがあります。
これを防ぐには、相続発生後に早めに遺産分割協議をおこない、権利関係を整理して登記を済ませることが大切です。
また、すでに共有者が多い場合は、持分の買い取りや贈与を含め、権利をまとめる方向で話し合うと良いでしょう。
早い段階で意向を確認すれば、将来の負担も抑えやすくなります。

行方不明者への対応方法

共有者の中に、行方不明の方や意思確認が難しい方がいると、全員の同意が必要な手続きが進みにくくなります。
まずは、戸籍謄本や戸籍の附票を確認し、住民票上の住所へ手紙を送るなど、連絡を取る手段を尽くすことが基本です。
それでも連絡が取れない場合は、裁判所の制度を利用し、所在等不明共有者に関する手続きを検討します。
令和5年4月1日施行の改正民法により、裁判所の決定があれば、不明者以外の同意で変更を進められる場合や、所在等不明共有者の持分を含めて譲渡できる場合があります。
なお、認知症などで判断が難しい方がいるときは、成年後見人の選任を家庭裁判所へ申し立てる方法もあるため把握しておくと安心です。
いずれの場合も、本人の権利を守るため、専門家へ早めに相談しましょう。

最終手段の分割請求訴訟

話し合いで共有状態を解消できない場合は、共有物分割請求訴訟を検討することになります。
これは裁判所に分け方を決めてもらう手続きですが、最初から判決だけを目指すわけではありません。
多くの場合は和解の可能性を探りながら、買い取り条件や分け方について調整を進めます。
判決となる場合は、土地を分ける現物分割や、1人が取得して他の方へ金銭を支払う価格賠償などが考えられます。
さらに、難しい場合は売却代金を分ける競売も選択肢となるため、早めに専門家へ相談しながら進めましょう。
裁判前に資料や希望条件を整理すると、和解の可能性も探りやすくなります。

▼この記事も読まれています
遺産分割協議はどう進める?相続のトラブル対応についても解説

まとめ

不動産の共有持分とは、1つの物件を複数人で所有する割合で、相続や共同購入では将来を見据えた登記が大切です。
共有不動産では、保存行為は単独で、賃貸などの管理行為は持分の過半数で、売却などの処分行為は全員の同意が必要です。
権利者の増加や行方不明者などのトラブルを防ぐため、相続後は早めに協議し、必要に応じて法的手続きを活用しましょう。

不動産売却買取専門店ミヤウチ住センターの写真

不動産売却買取専門店ミヤウチ住センター

大阪市・藤井寺市・羽曳野市の不動産売却は不動産売却買取専門店ミヤウチ住センターにお任せください。
地域に密着して60年、取引実績3,800件以上の経験と信頼でお客様に寄り添った提案をいたします。

■強み
・信頼と実績
・広告効果・広告量最大化の工夫
・売主様に合わせたご提案

■事業
・仲介売却
・買取
・売買物件